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CROSS†CHANNEL 終えました。 (メモ的な感想、暇だったら追記します)

お疲れ様です。暇です。
本日表題のゲームを終えました。

「キレイなものをみるのが、好きなんだよ」 「まずそれがあるんだ。ずっと昔から」 「その気持ちだけが、俺の最初の感情なんだ」 「だから、平気だよ」

以下、ネタバレ含む感想です。
このゲームはテーマ性と物語性のバランスが見事に取りつつ、最後に前者を選択した作品だと思います。
ぺけくんが元の世界に戻れないトゥルーエンドは最初「は?」になり颯爽とプレイログで進捗率を確認しに行ったのですが、見ていないものがあるわけではなかったのでこれが”終わり”なのだと認めました。
ヒロインズと親友らを元の世界に返した挙句、思い出とともに届かない(届くと知ることのできない)放送をひらすらに続けるのは傍から見ても、救いのない終わりに思えます。
どうでもいいですが、俺はハッピーエンドが人並みに好きなのでこれでいいのかよと思う反面、これでいいんだ、とも思いました。

ぺけくんが自身を嫌い、自身の不純さを厭い、獣性を憎み本能に抗ってまで届かない美しさに焦がれたのは、誰かを必要し求め続ける行為と意志そのものだったのですから——。

この作品のテーマは『誰かとの関り』で、前提部分の話だと感じました。
関わり合いになることは暗黙の了解に包まれていて、俺たちはそれがそのようにあると確認することもなく自然に関係しています。だからこれは前日譚のようなものです。
この関わり方のスタンスの確認の先から、他の物語も始まっているように感じます。
考えてみれば、この部分を確認しないと恋には行けませんよね。
だからどのヒロインとの話も恋ではなく交流だった。——つっても、エロゲ版だと色々しちゃってるのは当然だしそうとも言えないか。
(ぺけくんから向く想いが恋ではないように思われるのです)

とはいえ、だからこの作品はきちんとしたスタートラインに立つまでの物語に思えました。
自分は誰に何を必要としてるのか? その関係性をして何を求めているのか? 心の醜い部分とどう折り合いをつけて誰かと関わるか? それを呼称するにふさわしい関係を破綻させるのは何か? 誰かとの関り合いに値する代替品はあるのか?
諸々の問いに欺瞞を許さず真摯に向き合ったのがこの作品——俺はそう思います。

名前も顔も知らなくても誰かがこの世界にいてくれる。
それだけで報われた気になってしまう。
生きてもいいかと思える。

そんな当たり前"だった"ものを呼び起こしてくれる、生の肯定的な物語は俺は好きなのかもしれません。